
焼鳥の良いところは、「一口の満足度の高さ」と「豊富な種類」だと個人的には思っているんですが、「鶏は捨てるところがない」と言われるだけあって、びっくりするくらい多くの焼鳥が存在していて、その上呼び方?通称?が複数あることも相まってややややこしいのが悩ましいです。これを見れば一目瞭然とまではいきませんが、弊社の提供する焼鳥を例にご紹介いたしますので、いつか来る薀蓄の披露にお役立ていただけたらと思います。
定番
・ねぎま

【別名】なし
【部位】もも肉、むね肉 + ねぎ
由来としては「ねぎ」と「まぐろ」を煮た鍋「ねぎまぐろ鍋」からいろいろあって「ねぎま」になったようです。「ねぎ」の「間(ま)」にお肉があるから「ねぎま」だと思っていました。
現代では、基本的にもも肉やむね肉をねぎと交互に串打ちする、食感と香りが特徴の焼鳥となります。少し焦げるくらいに焼いた香ばしいねぎに、しょっぱいくらいの塩がついてるのが好きです。
・もも

【別名】正肉(せいにく)
【部位】もも肉
世の中で「焼鳥」という言葉は「もも」を指す、と言っても過言ではありません。正肉はもも肉やむね肉の純粋な肉の部分を総称して言いますが、お店によっては「もも=正肉」としてる場合もあるらしいです。
ジューシーな脂と強い旨みが特徴で、塩でもタレでもおいしいです。クセがなく「私、ももの焼鳥苦手なんだよねー」という人に出会ったことありません。
・レバー

【別名】きも
【部位】肝臓
鉄分やビタミンが豊富な栄養たっぷりの部位。下処理や火加減によって仕上がりに差が出るので、ももと違って苦手な人も多い印象がありますが、クリーミ―なしっとり食感と少しクセのある風味が、ハマる人は深めにハマるようです。
中がトロっとした焼き加減が至高のようですが、カンピロバクター食中毒の危険性がありますので、ご家庭ではしっかりと火を通して食べるようにしましょう。
・ハツ

【別名】こころ、ハート
【部位】心臓
heart…ハート…ハーツ…ハツ…と、英語由来の名称だとか。もちろん1羽から1個しかとれないので希少部位とされていますが、他の部位も大体そうなのでお肉以外は希少部位です。
プリプリ?コリコリ?とした食感をもち、内蔵系特有のクセが少ないので塩でシンプルに食べられることも多いです。実は、煮込んだり、炒めたりしてもおいしい。
・砂肝

【別名】砂ずり、ずり
【部位】砂嚢(さのう)
人間でいう胃に当たる部位。食べたものを消化する為にすり潰す器官らしいですが、ほぼ筋肉です。その際に一緒に飲み込んだ石や砂が溜まっちゃうのが語源のようですが、石を筋肉ですり潰すという何ともマッチョな部位です。
そのせい(?)もあってか、ジャリジャリと強い歯応えがあり、たんぱくな味わいとなっています。低カロリー、低脂質、高たんぱくの三拍子が揃ったダイエット食品としても優秀。関西では砂ずり。
・ネック

【別名】せせり、小肉
【部位】首肉
もも肉とぼんじりの中間のような存在です。もも肉より脂肪分が強く弾力があり、ぼんじりよりは重たさがない。ジューシーなのにさっぱりという奇跡みたい部位です。さらに、もも肉よりもカロリーが低いってのが驚きです。ねぎとポン酢との相性が良く、炒め物が人気のレシピとしてたくさんあります。
関西の方言が語源で、首から肉をせせりとる(ほじくる)が変化したもののようです。
・ボンジリ

【別名】ぼんぼち、三角、ぼんち
【部位】テール
この記事を書く動機となった部位。ぼん"じ"り、ぼん"ぢ"り、ぼん"ち"りの3つあるだけでもやもやするのに、テール、ぼんぼち、ぽんぽち、ぼんち、三角…。平仮名かカタカナか。あぁぁぁああああ。
と各地で呼び名ができるくらいに人気の部位です。お尻付近の脂の多いお肉で、プリッとした食感と焼いた時のジューシーさがたまりません。焼鳥界のカルビのような存在で、年齢を重ねてくると多少敬遠されることもしばしば。
・皮

【別名】なし
【部位】皮
主に首付近の皮が焼鳥では使われることが多いです。脂が多く含まれているので食べ過ぎ注意ですが、カリッカリに焼いてちまちま食べながら一杯やると、そんなのどうでもよくなってしまうギルティな存在です。"鳥肌"もんってやつですね。
塩かタレについては、某きのことたけのこくらい分かれるそうで、10代はタレ、20代以降は塩、東の方は塩、西の方はタレという傾向はあるようです。
・つくね

【別名】なし
【部位】もも肉、むね肉 など
老若男女が大好きなつくね。鶏肉のミンチを串打ちをするという前提の下、お店によって個性が表れやすい焼鳥です。形は丸めてから3つ~4つを刺すお団子スタイルと、1つの塊を楕円状にのばすきりたんぽスタイルが主流のようです。
タレで味付けをして卵黄をからめるのがマジョリティですが、塩とレモンで味付けしたり、生姜を効かせたり、軟骨を入れたりなど多種多様なつくねが存在します。捏(つく)ねるが語源とされ、つみれとの違いは成形・調理方法にあるようです。
(4種類の焼鳥ともも肉のステーキが味わえます。)
通好み
・むね

【別名】なし
【部位】むね肉
もも肉に比べ安価で手に入れることができるむね肉は、やわらかくして美味しく食べるレシピは数多く存在しますが、焼鳥のメニューとしては扱っていないお店が多い印象があります。それは、焼鳥は遠火の強火で焼くのがいいとされていますが、その温度ではむね肉の水分がとび、かたくパサついてしまう結果となりやすく、焼き手の技術が必要とされるのが原因と考えられます。
絶妙な火加減でしっとりと焼かれたむね肉の焼鳥は貴重なので、見かけたら一度試してみるのもいいかもしれません。
・ささみ

【別名】なし
【部位】ささみ
むね肉とほぼ同じ(?)部位ではありますが、焼鳥としてはむね肉より多く見かけるような気がします。むね肉より火が通りやすい分、扱いやすいことが起因しているのでしょうか。
さっぱり、あっさりした味わいではありますが、こってりとした焼鳥が多い中で中継ぎのような存在として活躍することができます。7回、8回くらいにビシッと抑え、クローザーへと繋ぐのにすごく丁度いいです。梅やしそ、わさびなど、調味料でパンチを効かせると輝きを増します。
・むね皮

【別名】抱き身(だきみ)
【部位】むね肉、皮
むね肉に皮を巻いた焼鳥。身(むね肉)を皮で抱いてるってことですね。むね肉の欠点のジューシーさを、皮を巻くことで解決してやるという力技感満載ですが、これが美味しい。フワッと膨らんだむね肉に、パリッとした皮が食感と旨みをプラスして、1本の焼鳥としての完成度を高めています。
皮目を楽しむためにタレよりも塩がおすすめです。
・手羽

【別名】いかだ
【部位】手羽
表面はカリッと、中はプリッと。肉の旨みと脂の甘さが同居する、味については申し分ない焼鳥。だがしかし、いかんせん食べにくい。焼鳥の醍醐味「パクッ!」っといけない。結局串から外して1個1個手掴みでかぶりつく。これを焼鳥と呼んでいいのだろうか…。
いいんです。炭火の焼き台で焼くにはこうするしかないんです。美味しさのためにひと手間かかるので、取り扱っているお店は多くないのかもしれません。
・手羽コラーゲン

【別名】ふりそで、肩肉
【部位】手羽付近
着物の振袖に似ていることが語源のようですが、昔の人は発想力が豊かですねー。肩肉とも呼ばれるそうですが、確かに腕(手羽)と体(むね)の間くらいの部位です。
肉質的には、手羽元のようなプルッとしたコラーゲン部分がありながらも、しっかりとした肉み感じる食べがいのある部位となっています。焼鳥屋で「ふりそで1つ!それと熱燗で!」なんて注文すると"通"な感じがします。
(4種類の焼鳥と手羽先が温めるだけで味わえます。)
知る人ぞ知る
・きんかん

【別名】ちょうちん(卵管とセットで)
【部位】きんかん
弊社ではきんかんのみ(+根元部分)を串にしたものですが、一般的にはちょうちんで提供されることが多いです。串にする際に、きんかんをプランと吊り下げる様が、昔の手提げ提灯に似ていることからちょうちんと呼ぶそうです。
味は、未成熟卵ということで卵黄のような風味を持っていますが、コクや風味はより濃いです。良いところも悪いところも濃いです。
・みち

【別名】ひも、玉ひも(きんかんとセットで)
【部位】卵管
前述のきんかんとセットで語られることが多い「みち」。卵が排出されるまでに通ってくる管です。
サジェストの最初に「焼鳥 ちょうちん 気持ち悪い」と出てくる通り、見た目のインパクトが強いですが、味は意外と淡泊です。お肉の食感に似ていて、内臓特有のクセもあまりなく、タレとの相性がいい感じです。騙されたと思って一回目を瞑って食べてみましょう。
・つなぎ

【別名】なし
【部位】砂肝ミミ
砂肝の近くにいますがミミ自体にかたさはあまりなく、歯切れのいい、牛ホルモンに似たような食感で、後味に少しモサッとした風味が残ります。内臓特有のクセはありますが、嫌な残り方はしません。
焼鳥としてはタレで食べるのが美味しいです。煮込んで中まで味を染み込ませたらもっと美味しいです。
・あずき

【別名】めぎも
【部位】脾臓
その名の通り見た目が「小豆」に似ているからあずきです。目が良くなる肝でめぎもとも呼ばれるようです。1羽に1個しかないのはもちろんですが、サイズが小さいので1本の串にするにはなかなか大変です。
プチッとした食感が特徴で、少々苦みを感じる部位となります。一言では表しにくい味わいで、苦手な人も多いような気がします。サザエの苦みを楽しめるような玄人におすすめの焼鳥です。
・もつ竿燈

【別名】なし
【部位】きんかん、卵管、砂肝ミミ、脾臓
弊社オリジナルの串です。ただでさえ焼鳥としてあまり見ることのないもつの部位を選び、秋田のお祭り「竿燈まつり」の竿燈(提灯をたくさん吊り下げた竹竿)に見立てて焼鳥にしました。ひと口ふた口で味が変わるワクワク感と、普段味わうことのないお得感で人気を博しています。タレで食べると味わい深いです。
・えんがわ

【別名】ハラミ
【部位】横隔膜
弊社ではハラミを焼鳥にした場合えんがわ串と呼んでいますが、えんがわはどうやら砂肝周辺の膜、筋を指すことが多いようです。今回はハラミについてです。
味はほぼお肉です。もも肉、むね肉のどちらに似ているとも言えませんが、内臓のようなクセはなく、噛み応えのあるお肉って感じです。チャンジャなどで使用することが多いように、噛んで噛んで味が出てくるタイプです。
・正肉

【別名】なし
【部位】もも肉、むね肉
弊社でいう正肉(しょうにく)はもも肉、むね肉の両方が含まれることを指します。正肉=もも肉と言われることも多いですが、比内地鶏界隈だと正肉=もも肉、むね肉を指すことが多いように感じます。
味は言わずもがな、もも肉とむね肉を交互に刺しているだけなので、塩でもタレでも美味しいです。こってりとさっぱりを交互に感じることができるので、この1種類で無限に食べることができます。
食べたいものを単品で!








